喉の奥にぬるいココアが流れるのを感じながらマヨの方を向いた。

「私はまだどこに進学するとかはっきり決めてないんだよね。松川くんが海外に留学するんなら、私も追っかけちゃおうっかな?」

冗談めかして笑ってみた。

そんな私にマヨは何も言い返さなかった。

ちょっとあきれてる?

なんとなく自分が浮いてるような気がして話題を変えた。

「それにしても剣道二段なんて、マヨにとっちゃ楽勝じゃないの?確か来月段審査があったような気がするよ。」

「うん、来月がんばってうけようと思ってるよ。もし受かったら、退部届け出すわ。」

「そっかぁ。なんだかマヨのいない部活動って考えられないな。私もやめたくなってきた。」

「だめだよ!きちんと理由もなしに辞めたら、絶対だめ。」

マヨはめずらしく厳しめの口調で言った。

そうだよね。

実際、昔からずーっとマヨの金魚の糞みたいに後ろくっついてきた私。

何を始めるのも、何かをするのも、マヨがいないとできなかった。