S女子大ってだけでも結構偏差値高いのに、英文科なんてまたその中のそのトップ学部じゃない。

いつの間にそんなこと考えてたのよ、マヨ~!

「だからさ、今度剣道二段とれたら、それを機に剣道部やめて、受験勉強に勤しもうかなって思ってるんだ。」

「そうなんだー。あー、マヨがそんなに真剣に進路を考えてたなんて初めて知ったよー。ダブルでショックだー。」

「あはは、人は見かけによらないのよー。」

「うん、そうだね。マヨは私の同じタイプの人間だと思ってたのに。」

「失礼ね。一緒にしないでよ。私はナツミよりは一歩先行ってるって。」

「もぉ!ひどいなぁ。」

「うそうそ。」

マヨは口をとがらせている私を見ながら、おかしそうに笑った。

「私も自分の進路、そろそろ真剣に考えないと間に合わないよね。」

言いながら思わずため息が出た。

「ナツミは、何も決めてなかった?」

漠然と、大学には行きたいナーって思ってたけど、どこの大学だとか、何学部だとかは全く考えてなかった。

いっそのこと、松川くんのいるイギリスに留学しちゃおうかしら?

なんてね。

そんなことを思いながら、少しぬるくなったココアを飲んだ。