マヨは一口ココアを飲んで言った。

「私も考えたんだけど、該当者が思い当たらないのよね。」

ふう。

そっか。

あれだけリサーチしているマヨでさえ思い当たらないって。

マヨが冗談でも「ナツミ」って言わないあたりは、なんだか思いっきり松川くんに振られたような気持ちになった。

そんなことで、急激に落ち込む。

「あ。」

「なに?」

「もう一つ松川くん情報伝えるの忘れてた。」

「え!教えてよー。」

思わず身を乗り出す。

「前さ、松川くんの進路はまだ決まってないって言ってたんだけど、最近決まったみたい。」

「やっぱり大学進学?結構成績いいもんね。松川くんて。」

「うーん、それが違うみたい。」

「進学しないの?」

「ほら、松川くんって英語が得意じゃない?」

「そうだったっけ。まぁいっか、うんうん。」

「イギリスに留学したいんだって。」

イギリス~!?

思わずもっていたココアのカップを落としそうになる。