マヨから聞いた情報を、手帳に書いてベッドの中で何度も見返した。

試験勉強だったら、何度覚えてもインプットされないのに、

好きな人のことだったら一発で覚えられちゃうのはなぜだろう?

「好き」っていう威力はすごいんだなぁ。


もし、松川くんが私のこと好きだったらどうしよう?


ふふふ。

んなわけないか。だけど、そんな風に思うくらいは悪いことではないよね。

誰かが思えばその通りになるなんて言ってたっけ。

布団をふかく被って、誰に見られるわけでもないのにこっそり笑った。


次の日。

教室に入る時、いつも以上にドキドキした。

すぐにマヨのところへ走っていく。

小さい声で、

「昨日は色々情報ありがとね。」

と言った。

「あ。」
 
マヨの視線が私の背中の後の方に向けられた。

「松川くんがこっち見てるぅ。」