「マヨ、でももっと早く教えてほしかったよ。そしたら、こんなに二人とも苦しまなくてよかったのに。」

マヨの目を見て言った。

マヨはゆっくりとうなずいた。

そして、私たちはココアのお勘定を払って「バイバイ」した。


帰り道、ふと空を見上げると、三日月がふんわりと藍色の海に浮かんでいた。

きれい。

こんな風に夜空をゆっくりと見上げるなんていつ以来だろ。

今日まで松川くんのことばっかりでキリキリしていた自分が嘘みたいに穏やかだった。

松川くんのことは、もうきれいさっぱり吹っ切ろう。

でも、笑っちゃうよね。

少しでも両思いかも?なんて思ってた自分。

何の根拠もないのに。

やっぱり、恋ほど見えにくいものってないもんだわ。

相手に「好き」って言って、初めてしっかり伝わるもの。

そして、相手からの答えを聞いて、初めてしっかり片思いか両思いかが確定するもの。

今回のことで、少しだけ成長したかな?

家の玄関の扉を開けて、大きな声で言った。

「ただいま!」