「私さ、ナツミのこと大好きだから、ナツミのためにと思って、松川くんの情報集めてた。たまたま同じ英会話学校に通ってたこともあって、松川くんとは色んなこと話したよ。本当に色んなこと。」

「うん。」

「ナツミの気持ちを聞きながら、松川くんと話してたら、なんだか自分がナツミになったような・・・そんな錯覚を覚えて。知らず知らずのうちに、私自身が松川くんと話しすることを楽しみにするようになってたんだ。」

マヨは少しだけココアを飲んだ。

私もマヨの後につづいて、少しだけ口にふくむ。

その先は、聞かなくてもわかる。

耳をふさぎたくなるような衝動にかられる。

でも、最後まで聞かなくちゃ。

そして、私の気持ちもしっかり言わなくちゃ。

「ひょっとして、松川くんのこと好きになっちゃったの?って。まさかって、思ってた。でも、そんなはずはないって言い聞かせて。だって、松川くんは私の親友のナツミが大好きな人なんだもん。きっとその思いと同化しちゃってるだけだって。」

マヨは「ふぅ」と小さくため息をついた。

「そんなことを考えている時に、自分自身の気持ちに自信がなくなってきたことがあった。」

「何があったの?」

鼓動が早くなってきた。