「マヨとはずっと仲良かったじゃんか。きちんとマヨと話した方がいいと思うぞ。」

「なーに、偉そうに。」

「それに、お前ってさ。」

「何よ。」

「本当に、鈍感な奴だよな。」

こんなに人が落ち込んでるところで、更にトドメを刺すか?!

「そうよ、私は鈍感よ。」

「『超』がつくよ。俺もほとほとあきれたわ。」

こういう時くらい、もっと温かい言葉はかけられないの?

私は涙目でキッとタイスケを睨んだ。

そんな手厳しいことを言ったタイスケの顔は、やけに落ち着いていて、目はとても優しかった。

「でも、俺、そういうバカみたいに鈍感なナツミって、かわいいと思うけどな。」

は?

一瞬素に戻る。

「ま、ちーーーーっとだけな。」

タイスケはふざけた顔で、親指と人差し指をくっつけた。

冗談でも『かわいい』なんて言ってくれたタイスケに感謝した。

今は、どんぞこ。

自分に全く自信を失ってる状態の私にとっては蜘蛛の糸のような言葉。

私は涙をふきながら、少し笑った。