「マヨは・・・」

突然、タイスケが口を開いた。

「マヨはかなり悩んでたみたいだよ。」

もういい。

マヨの話はいい。

「実はさ、お前と松川がコンサートへ行くって話を無理矢理聞き出した時に、俺、手をつないでるとこ見たって話、マヨにしたんだ。そしたら、マヨ泣き出してさ。」

今更、何泣いてるのよ。

そんなの知らないわよ。

「マヨは、『私は絶対松川くんとは付き合わない』って。」

どうしてよ。

どうせ両思いなんでしょ?

手をつなぐくらいの。

どうして付き合わないのよ。

「またナツミとは親友でずっといたいんだってさ。」

親友?

今の私には、どんな言葉もおちょくられているようにしか聞こえなかった。

親友だったら、もっと早く、本当のことを伝えるべきじゃない?

「俺、もうこれ以上は話さないよ。本当はマヨにも口止めされてたんだ。でもさ、ナツミには、やっぱり教えといた方がいいって、俺自身が判断したんだ。」

「うん、聞いてよかった。」

嗚咽の間で、タイスケにようやく言えた。