『じゃ、大丈夫?』

「うん、多分大丈夫。コンサート終わったらすぐ帰るから。」

『タイスケくんに会えてよかったわね。』

それはどうだか・・・。

でも、まぁ。

コンサートに行けるだけでもマシかもしれないよな。

私はバッグからハンカチを取り出して、涙をぬぐった。

「話聞いてくれてありがとね。」

『せっかくなんだからマッキー楽しんでおいで。』

「うん!じゃ、帰る時また電話するね。」

あー。

電話してよかった。

やっぱり泣きたい時には泣かないとね。

ハンカチをしまって、お次はティッシュ。

壁に向って、勢いよく鼻をかんだ。

ふぅ。すっきりした。

時計を見ると、17時だった。

そろそろ会場に向おうかな。

また大通りに戻って、少し軽くなった足を会場に向けた。