タイスケ、一人で行くんだ。

なんだかちょっとかわいそうだな。

それにしても、急に断るなんて、マヨもよほどの理由があったに違いない。

「でも、マヨが急にキャンセルするなんて、めずらしいよね。普段そんなことする子じゃないしさ。」

一応フォロー。

「そうなの?俺相当嫌われてんのかな。マヨは最初からあまり気乗りしてなかったらしくてさ、よく考えてやっぱりやめとくってさ。ちぇ。個人的にもマヨには聞きたいことあったからわざわざ誘ったのに。」

「聞きたいこと?」

「それはお前には教えなーい。」

「もぉ!」

私はゲンコツでポッケに手を突っ込んでるタイスケの腕を軽く殴った。

「もし、お前も今からの予定相手にドタキャンされたら、俺とコンサート行く?」

何、不謹慎なこと言ってるのよ!

失礼しちゃうわ。

松川くんは、そんなこと絶対しないもん。

それに『言霊』って言葉しらないの?こいつ。

そんなこと口が裂けても言うなっての!

「はいはい、もしそうなったらね。でも、私は絶対そんなことにはなりませんから!」

「どうだかねぇ。」

タイスケはいたずらっぽく横目で私を見下ろしてきた。

その時、私の携帯が鳴った。