さ、てと。
私はもう一度鏡の前に立った。
そして、まだセロハンでくるまれたままのグロスをそっと手にとる。
少しずつセロハンをはがして、箱からグロスを出した。
筆先に、マヨがぬっていたのと同じような、ちょっと色っぽいキラキラとした光が乗っていた。
私は、そのまま唇に塗らずに、そっと筆をしまった。
んん。
なんとなくだけど。
やっぱり今日は塗るのやめとこう。
もし。
もし、二回目のデートが実現したなら、その時はばっちり塗っていこう。
ちょっとした願掛け?
「お母さん、ちょっと早いけど、もう行くわ。」
「え?!ちょっと早いって、かなり早いと思うんだけど。」
「だって、家にいても緊張するだけだし、外にいた方が何かと気晴らしできるからさ。」
「はぁ。まぁいいけど。とにかく気をつけていってらっしゃい。そして・・・。」
「ん?」
「思いっきり楽しんでらっしゃい!」
お母さんはにっこり笑うと、私の背中をポンと軽く叩いた。
「はぁい。行ってきます!」
私も笑顔でお母さんに敬礼した。
私はもう一度鏡の前に立った。
そして、まだセロハンでくるまれたままのグロスをそっと手にとる。
少しずつセロハンをはがして、箱からグロスを出した。
筆先に、マヨがぬっていたのと同じような、ちょっと色っぽいキラキラとした光が乗っていた。
私は、そのまま唇に塗らずに、そっと筆をしまった。
んん。
なんとなくだけど。
やっぱり今日は塗るのやめとこう。
もし。
もし、二回目のデートが実現したなら、その時はばっちり塗っていこう。
ちょっとした願掛け?
「お母さん、ちょっと早いけど、もう行くわ。」
「え?!ちょっと早いって、かなり早いと思うんだけど。」
「だって、家にいても緊張するだけだし、外にいた方が何かと気晴らしできるからさ。」
「はぁ。まぁいいけど。とにかく気をつけていってらっしゃい。そして・・・。」
「ん?」
「思いっきり楽しんでらっしゃい!」
お母さんはにっこり笑うと、私の背中をポンと軽く叩いた。
「はぁい。行ってきます!」
私も笑顔でお母さんに敬礼した。