教室に入った瞬間、松川くんの姿が目に飛び込んできた。

あ!

目が合った!!

どきどきどきどき・・・・

心臓の鼓動と共に顔の温度が上昇していく。

昨日の今日だもん。

余計にどきどきだよ。

松川くんは、少しだけ笑ってうつむいた。

ね、ね、今私に笑ったんだよね?

まだまだ遠い存在の松川くんだけど、ちょっぴり距離が縮まった感じがする。

私はそのまま自分の席に座ってカバンを置いた。

「おはー。」

その瞬間、目の前の椅子にどかっと座った人物がいた。

顔を上げると、タイスケだった。

「朝から何よ。」

タイスケにはどうもこういう口調になっちゃうんだよね。

もちろん、松川くんには聞こえないように、そっと小声でね。