「おかあさーん!」

お母さんの姿を見つけるやいなや、ようやく走り出せるとばかりに、駆け寄った。

「あら、あんた。えらくご機嫌さんじゃない。」

お母さんは、笑いながら私のほっぺたを両方の手で挟んだ。

「ふふん、わかる?」

「わかるわよー。何年あんたの母親やってると思うの。」

「何だか当ててみて!」

興奮してるのか、小鼻がぴくぴく動いちゃうよ。

「ははーん。ま・つ・か・わ・くんがらみ?」

そうなんだ。

お母さんにはぜーんぶ話てるから、私が松川くんのこと好きなことももちろん知ってる。

マヨと距離を置くようになってから、私のよきアドバイザー兼話し相手なってくれてる。ありがたいよねぇ。

「ピンポーン!」

私は飛び跳ねながら、お母さんの腕にからみついた。

だって、もう体が勝手に飛び跳ねちゃうんだもん。

「まぁまぁ、とりあえず駅についたら、お茶でもしましょう。そこでゆっくり話聞くわ。」

お母さんの方が人目を気にしてそう言った。

そして、私たちは電車に乗って、目的地へと向った。