幸い、校門付近にいるのは、うちのクラスでは私と松川くんだけみたいだ。

後は知らない後輩やら先輩やら・・・。

誰も、私達には気にも留めない風に家路に急いでいた。

「行く!」

私は大きく息を吸い込んで、吐き出しながら答えた。

「そっか。じゃ、来週の日曜の18時な。これ、チケット。」

松川くんの大きな手にチケットが一枚。

私の目の前に差し出された。

これは、夢?

夢ならば覚めないで!

でも、なんで私を誘ってるわけ?

これって、松川くんの意思なわけ??

少しずつ冷静さを取り戻していく私。

ようやく言葉が口から出てきた。

「あのさ。私なんかでいいの?」

「うーん。」

なんで、そこで悩むんだ?

「気悪くしたらごめんよ。実は一緒に行くはずの連れが行けなくなっちゃって。せっかくとったチケットムダにするのもなんだったし、お前もマッキー好きだって行ってたから誘ってみたんだ。」

気を悪くするだなんて。

なんて優しいの!

それよりも、私を思い出してくれたことに感動だわ。