それから私は、週に三回ほど神谷さんのジムに通い詰めた。 ウェディングドレスを素敵に着たいから。

「愛南、ちょっと引きしまってきた?」

「え、そうかな?」

 ジムに通い始めてから、私は少し体重が落ちたような気がした。
 体重計に乗ると、体重が前より三キロも落ちていたのだ。

「なんか前より細くなっちゃって、すごい心配になるんだけど」

「そう?」

「ただでさえ細いんだから、そんなに細くなっちゃったら心配になるよ、そりゃあ」

 裕太さんが心配そうに私を見つめている。
 
「そんなに心配しなくても、大丈夫だよ」

「本当に?」

「本当に」

 私は裕太さんと、幸せな結婚式にしたいと思ってる。 きっと愛莉も、幸せな結婚式を望んでくれているに違いない。
 私は裕太さんと幸せになりたい。 ううん、必ず幸せになる。
 
「愛南が言うなら、大丈夫だな」

「うん、大丈夫だよ。 でも、心配してくれてありがとう」

「うん」

 私は裕太さんと、もうすぐ結婚式を挙げる。 きっと世界で一番、幸せな日になるに違いない。
 
「裕太さん、いい結婚式にしようね」

「ああ、世界で一番いい結婚式にしよう」

「うん」

 幸せとは、なんだろう。 そう考えることがたくさんあった。
 でもその幸せって、人それぞれ違うから。