「ふむふむ。それなら、俺に任せて。花嫁姿をもっとキレイにするためのトレーニングなら、うちもやってるから」
 
「本当ですか?」

 良かった……。

「裕太の奥さんだし、特別にトレーニング料半額でいいよ」

「え、いえいえ! そんな……!」

「いいのいいの。 奥さんの頼みなら、全力でサポートするよ」
  
 私は「ありがとうございます」と頭を下げる。

「やっぱりドレス着るなら、身体引き締めたいよね?」

「ま、まあ……はい」

 キレイな私を見てほしいっていうのは、やっぱり女の子なら誰でも思うことだよね?

「これ、うちのジムの初回お試しチケット」

「え?」

「あげるよ」 

 神谷さんは私にお試しチケットを渡すと、「いつでも来てね、奥さん」と微笑みかける。

「はい。ありがとうございます」

 せっかくもらったチケットだし、使わないともったいないよ。お試しだしね。

「裕太もさ、また来てくれよ」

「ああ、また行かせてもらうよ」

「待ってるからな」

「ああ」

 無事にオープンしたジムは、お試しが無料ということもあり、賑わっているように見えた。

「じゃあ、俺たちは帰るよ」

「おう。ありがとうな」

「じゃあな」