お弁当を買ってきてもらう時は、私と愛莉はいつも同じのり弁を注文した。
 双子だったから、同じものが好きだったんだ。

「ごちそうさまでした。 お腹いっぱい」

「お腹いっぱいだな」

 お昼ご飯を食べ終えた後、裕太さんは「ちょっと急ぎの仕事あるから、仕事してくる」からと、仕事部屋にこもった。
 その間私は、ソファでスマホで動画を見ながらゴロゴロしていたが、気が付いたらスマホを握りしめたまま眠ってしまっていたようだった。

 その間、私は夢を見ていた。 私の隣には、いつもどおり裕太さんがいる。
 裕太さんはグレーのタキシードを着ていて、私に向かって微笑んでいる。 きっと私は、ウェディングドレスを着ているのだろう。
 裕太さんは私の手を取り、「愛南、とてもキレイだよ」と笑っていた。

「裕太さんも……すごく似合ってる」 

「世界で一番、キレイだよ」

「……ありがとう」

 夢の中での私は、とても幸せそうに微笑んでいる。きっと私は、一番幸せなんだろう。
 愛おしい人と幸せになれるという素晴らしい日だから、きっととても幸せなんだ。

「愛南、向こうで待ってるから」

「……うん、待ってて」

 私の夢の中の記憶は、そこで途切れた。