3番目の春はとても静かだった。
雨も風も吹き荒れず、
桜はずっと咲いていた。
出会った頃、一緒にみたソメイヨシノに
一人で腰をかけた。
とても綺麗に咲いた花を見上げる。
とても綺麗に澄んだ空と繋げる。
小鳥が静かに枝に止まっていた。
首だけを動かし花をみていた。
薄く灰色がかった小鳥は、
鳴かず焦らず、後を濁さず飛び立った。
その様子をじっと見つめていた。