降りる沈黙に、わたしが先に音を上げた。

「あの、本当に烏滸がましいんですけど……」
「もう少し考えてくれ」
「もう十分考えた結果ですが」
「あと一年は考えても良いくらいだ」
「そんなに待たせても良いんですか」
「良いよ」

即答。
待つことに、何のメリットが。

「わたしじゃなくても良いと思うんですよ、彼女欲しいなら」
「彼女が欲しいわけじゃない。羽巣さんに彼女になって欲しい」
「冷静になって、よく考えてください」

わたしは絹笠さんの腕を掴む。

「わたし、クリーニング屋継いでるんですよ?」