週末が終われば、また新しい週がやってくる。

コトリクリーニングは地域密着を最初は掲げていたが、少し前に最寄り駅の再開発が進み、オフィス前や帰りのお客さんも増えた。

大学の友人に家を継ぐことを告げると、大抵のリアクションは「いいなー、家業があるなんて」だ。

現実は違う。

家でバイトもしていたし、ご近所さんはわたしの顔を知ってくれているし、常連さんも把握している。

でも、いつ潰れるか分からない。パートさんや社員にも人生がある。それを一気に背負わされた。

「顔怖いよー」

パートの吉永さんが肩を揉んで、お茶を淹れてくれた。