そろそろ絹笠さんのビールも無くなりそうだ。

「羽巣さん、甘いものは?」
「え、いや」
「杏仁豆腐美味しそうだけど」
「あ、本当だ」

メニューを覗いてそう言えば、さらりと杏仁豆腐が注文された。

「地元はここらへん?」
「はい。生まれも育ちも」

その後、成人式の話で盛り上がり、学生の時に流行っていた都市伝説なんかを話し込んだ。

結局、店を出るまで共にしてしまった……。

だってなんかこの人すごく話が面白いし上手なんだもん……!

誰にとも言えず言い訳をする。
しかも、ちゃっかり奢って貰った。