未来が自分の体に目を向けると、意識を失うまで着ていたはずの病衣ではなく、膝丈の真っ白なネグリジェを着せられていた。レース素材のネグリジェは着心地が良く、とても可愛らしいデザインである。

「そのネグリジェ、とても可愛らしいでしょう?僕が選んだんです。よく似合っていますよ」

未来が戸惑っていると、ドアを開けて高嶺が入ってくる。未来は慌てて高嶺から距離を取るためベッドから離れ、壁際に後ずさるものの、誰かが助けてくれるわけではない。

「ここはどこ?あたしをどうするの?」

震える未来に対し、高嶺はまるで恋人に向けるような甘い笑みを浮かべる。そして、「ずっと愛してるんです、未来のことを。初めて会った時から」と言った。

「君がいたから、勉強を頑張って医者になった。君の病気を治してあげたい、あの頃はその気持ちでいっぱいだった。でも、いざ手術を終えたらこう思ったんだ。未来が当たり前の生活に溶け込んでしまったら、僕は君に選んでもらえない。君は別の男と恋をして、色んな初めてを捧げてしまうんじゃないかって」