「きっちり半分にしないと,泣いて怒ってた」



そうだったかな? と私は首を捻った。

何せ私が小2,凪が小4の時の話だから。
すごく楽しくてはしゃいでいたことしか覚えてない。

でも…と,凪に肉まんを分けて貰いながら考える。

それが小さくても私なら,私はその時の気持ちがよく分かった。

私は,凪が年上の寛大さを見せて私の分を大きくするのも,自分の方が胃が大きいと私の分を小さくするのも嫌だったんだと思う。

どんな小さな事でもいいから,凪と対等に…隣に並びたかったんだと思う。

結局のところ,凪の言う通り,私はあの頃と変わっていないらしかった。

冷める前に…

と,頭を切り替えて私ははむっと肉まんに口を付ける。
するとじゅわっとお肉の甘味が広がった。

美味しい…

その優しさに,私はほっと顔を緩めた。