お店を出た。
「うれしいよ。もうメガネ外してくれたんだね。」
「岸さんがメガネ外した方が良いと言ってくれたので、そうしてしみました・・・」
「参ったな~」
(色っぽい・・、ダメだ。) 岸は我慢できなかった。
岸は真奈美の顔を引き寄せ 食べるようなキスをした。
真奈美は突然で驚いた。
「あっ・・・(キス・・・) 」
(いゃ・・・うーん、待って待って、キスの感覚なんか違う・・・いゃ・・・)
「待って・・・」
真奈美は必死に両手で岸の体を必死で押し離した。
マスターはお客がいなくなったので少し早いけど店を閉めることにして、看板を取り込もうと表に出たところ、岸と真奈美がキスをしているのを見た。
見ないふりをしていたが、真由美の声が聞こえたので、隠れて聞いていた。
「岸さん待って! まだ気持ちが追いついていないの。」
「何言っているんだよ。メガネ外して僕をその気にさせたじゃないか。」
「私だって、ちょっとはそう思ったの。だけど・・・」
(キスしたら・・・違うかなって・・・そんなこと言えない)
「ゴメンナサイ。」
真奈美は駆け出して行った。
真奈美を追う岸の腕をマスターはあわてて掴んだ。
「岸君ゴメン、待って! 真奈美ちゃん大失恋して、ずっと沈黙していたんだ。岸君が一人で来るようになって少し様子が違ってきたから、もう大丈夫かなって思っていたんだけど、まだ早かったのかな。必ず僕から真由美ちゃんの気持ち聞いておくから、少し待っていてくれるかな。悪い。」
「・・・わかりました・・・」
岸も帰っていった。