水族館は、まるで海の中を歩いているみたいな海の中のトンネルみたいになっていて、きれいな魚が行きかっていた。真奈美は昨晩の余韻もありフワフワしていたので、魚と一緒に泳いでいるみたいだった。
 真柴は真奈美の手をぎゅっと握って、気遣ってゆっくり歩いてくれた。しょっちゅう真奈美の顔を見て、いつも微笑んでいた。どこをどう歩いたのか正直あまり覚えていない・・・いつも目が合うと手をぎゅっと握ってくれる。安心する。うれしい。なんて幸せなんだろう。真奈美は世界一幸せな初めてのデートだとおもった。

 毎週金曜日、二人はPortaで待ち合わせをした。他の日はラインデートだった。真柴の仕事は忙しく、平日は結構遅かった。でも毎日ラインをくれた。

 金曜日、真奈美はカウンターで今まで通りの仕事をして真柴を待った。
いつも真柴は駆け込んできた。毎回時間はバラバラだったけどPortaで軽く飲んで、食べて、彼のマンションに行った。週末は一緒に暮らした。真柴は少し強引なところもあるけど、優しい。私を大切にしてくれる。楽しい。うれしい。ずっとこのままいられるの? と真奈美は不安がよぎった。