明宏は呆れ顔をしていたが仕方なく「そういうことになりそうです」と、説明してくれた。


それでも大人たちはついていくと必死に食いついてきてくれた。


佳奈たちはそれをやんわりと断り、代わりに猟銃を2本貸してもらうことになった。


佳奈と春香は猟銃の使い方を説明してもらい、ポシェットの中の爆竹は弾丸に変わった。


どうにか準備を整えて窓の外を見ると、今は黒い化け物も地蔵も近くにいないことがわかった。


「出るなら今のうちだ」


柏木さんの言葉に佳奈たちは互いに目を見交わせて頷きあう。


そこには絶対に仲間を助けるという強い意思がこもっていた。


「柏木さん、本当にありがとうございました」


家を出る直前に明宏がそう言って頭を下げた。


しかし柏木は傷ついたような痛そうな表情を浮かべている。


「いや、元はと言えば俺たちの先祖たちのせいで、君らを巻き込んだんだ」


やはり柏木の胸には常に罪悪感がはびこっていたらしい。


それはきっと、他の大人たちも同じことだっただろう。