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話している間に亮一の声はどんどん小さくなっていく。


それを見て明宏は焦りを感じていた。


さっきから亮一の隣に座っている智子はピクリとも動かない。


確認していないからわからないが、もしかしたらすでに心停止しているかもしれない。


「事情はわかった。地蔵を元に戻す方法を知らないのか」


明宏は亮一の前にヒザをついてしゃがみ、そう聞いた。


そうしないと聞こえないくらいの声になっていたのだ。


「地蔵は……たな……く……」


言葉は途切れ、亮一の目から光が消える。


明宏は慌てて肩を揺さぶった。


しかし亮一は空を見つめるばかりで反応をしない。


明宏が手を離した瞬間その体は横倒しに倒れてしまった。