すべてが変わったのだ。


夏休みに入って一週間ほどがたっていたときだった。


近くのコンビニへ向かった亮一は偶然そこで他の4人と出くわしたのだ。


別に約束をしていたわけじゃない。


本当にただの偶然だったのだけれど、それすらも作られたもので会ったと今になって理解した。


コンビニの外でスポーツドリンクを飲みながら5人で話をしていたとき、不意に誰から言った。


『肝試しに行こう』


誰の言葉だったのかわからない。


けれどきっと誰でもなくて、イケニエになった誰かの言葉だったんだろう。


それから亮一たちはとくに話し合いをすることもなく、当然のように地蔵へ向かったのだ。


亮一たちにお守りなんていらなかった。


首取りという汚れた血そのものが、地蔵を姿を見せることにつながった。


そしてその時、電流のようにあの言葉を思い出したのだ。