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『うわぁああ!』


飛び起きた瞬間部屋の中がまだ暗く、そして今まで見ていたものが夢だったのだと亮一は悟った。


体中汗が吹き出していた鼓動は早い。


手の甲で額の汗を拭ってみると、そこからポタポタと落ちていくほどだった。


『またあの夢か……』


亮一の先祖は大昔この街で行われていた雨乞いのイケニエの儀式に携わっていた。


どうして亮一の先祖がそのようになことに携わっていたのか、理由は定かではなかった。


ただ、長と特別仲が良かったからとか、信頼をおける関係だったとかいわれている。


そしてその理由はあながち間違いではいのだろうと、亮一は常々感じていた。


現代社会において、誰かに何かを頼む時と同じだ。


信頼のない人よりも、信頼を寄せることのできる相手を選ぶのはごく当然の行為だった。


きっと、たったそれだけのことで先祖は選ばれてしまったのだ。


そして首取りの仕事をしていた。