大輔が撃ったのだと思ったが、大輔は猟銃を肩にかけた状態で明宏を追いかけていた。


じゃあ、誰が?


さっき助けてくれた男だろうか?


そう思って視線を周囲へ巡らせた時、黒い化け物の下から銃口が出ているのが見えた。


しかし襲われているため弾がズレたようで、黒い化け物には当たっていない。


「あれってもしかして」


佳奈がハッと息を飲んだ。


猟銃を持っている人がそんなにたくさんいるとは思えない。


さっきの男と大輔。


そしてもう1人は……。


そう気が付いたとき、黒い化け物は地面に横たわる2人めがけて刃物の腕を振り下ろそうとしていた。


咄嗟に猟銃を構える大輔。


そして間髪入れずに弾を放った。


弾は黒い化け物の肩口に当たって血肉が弾けた。