甘い悪夢へようこそ

「君を攫うよ、幸せにするためにね」

木の棒から光の粒が飛び出し、ミアをゆっくりと包んでいく。すると、ミアの瞼が少しずつ重くなり、意識がぼんやりとし始める。

最後にミアが聞いたのは、村人たちの悲鳴と叫び声だった。



全てを思い出したミアは、ずっと背中をさすってくれているマシューの手を振り払い、後ずさる。

「そんな顔をしないでよ。ああしないとミアを助けられなかったんだ」

カイルがそう言い、ゆっくりと近付いてくる。ミアは「やめて!」と言い、手を振り上げるものの、その手を強く掴まれ、抱き寄せられた。

「やっ!」

ミアは抵抗するものの、男性の力には勝てず、すぐに押さえ込まれてしまう。

「ミア、少し落ち着こうか」

少し悲しそうな顔をしてマシューが言った後、木の棒のようなものを向けられる。そしてまた意識を失ってしまう。

どれほど時間が経ったのか、ミアが目を覚ますと、最初にいた部屋のベッドに寝かされていた。
周りを見るとカイルやマシューはいなかった。これは逃走のチャンスである。

「逃げなくちゃ!」

彼らが村の人たちに何をしたのか、それはもう眠ってしまう直前に聞いた悲鳴などで想像がつく。彼らが普通の人ではないこともはっきりわかった今、ここにいるのは危険である。

だが、ミアがドアを開けた刹那、カイルとマシューが「逃げたらダメでしょ?」と言いながらミアの腕を掴み、ベッドに放り投げる。

「やめて……!私、帰りたい……」

泣きながら懇願するミアを組み敷き、カイルとマシューはとろけるような表情でミアを見つめる。

「ミアの住んでいた村はもうないよ。だからどこにもミアは逃げられないし、逃がしやしない」とカイル。

「僕たちに溺れて、僕たちのものになってね?」とマシュー。

ところで、ミアの体ってスイーツみたいに甘そうだよね、そう言いながらカイルがミアの着ているネグリジェの前を開き、空気に触れてヒヤリとした肌にキスを落としていく。その間、マシューに優しく太ももを撫でられ、ミアの口から悲鳴が出た。だが、暴れようにも暴れられない。
「ミアに甘いものあげたんだから、甘いので返してね?」とカイルが手の甲にキスを落としながら言う。

「すっごく甘いのほしいな」とマシューがミアを覗き込むように見つめながら言う。

それから始まった時間は、キスをされ、優しく触れられ、甘ったるいものだった。互いの匂いが混じり合い、ミアの瞳から涙が流れる。その涙さえも、二人に舐め取られた。

「「これから、たっぷり愛してあげるから」」













初めましての方、初めまして!お久しぶりの方、こんにちは!エイミーです。

今回は、「ユメクイ」という曲をイメージして書きました。after the rainを始めて知り、好きな曲です。ダークファンタジーっぽい曲で、イラストもかっこよくて好きです!でも何より、ボーカルの人の歌い方が最高なんです!

最初、実はマシューたちは吸血鬼の設定でしたが、途中から魔法使いに変えました笑。ミアを殺そうとした人たちが集まっている村をドカンと破壊してほしいと思ったので笑。

読んでいただき、ありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう。









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