「ねえ」
「はい?」
「その絵、君が描いたの?」
「はぁ、そうですけど」
「すごい綺麗だね、」
「あ、ありがとうございます?」
「私惚れちゃった」
「え?」
あっ
「え、絵にだけどね!」
「ふっ」
君は寂しそうに笑った

「ありがとうございます」

私が惚れたのは絵だけ
君の絵に惚れただけのはずだったのに
今この一瞬で君自身にも
惚れてしまった気がした

「どうかしました?」
「あっ、いや、何も無いです、、」

「名前」
「え?」
「名前教えてください。せっかく僕の絵に惚れてくれたんですから名前覚えたいです」
「あ、こ、駒井 奈々です」
「ふっ、あんまり緊張しないでくださいよ。さっきまでの感じはどこに行ったんですか笑」

あぁ、やはり君自身にも惚れてしまったみたいだ

「な、なんか緊張し始めちゃって…」
「そうでしたか」
笑顔が素敵な人だなぁ…

「あ、僕の名前は田野 優です」
「あ、し、知ってます」
「おや、それはそれは失礼」
「いえ、絵を見た時に名前を見たので」
「そう言えば絵のところに名前書いてありましたね笑」
「そうですそうです!」
「駒井さんは何年ですか?僕は2年です。あっ、それも分かってますね笑」
「私も2年ですっ」
「おぉ、なら敬語やめようよ、同い年なんだしさっ」

「そうですね!」
「ちょっとちょっと、言ったそばから笑」
「あっ」

緊張して上手く喋れない…

「すみません…」
「次敬語使ったらもう話さないからね〜」
「えっ!また話してくれるの!?」
「そこから!?もちろんだよ笑」
「ありがとう!」
「いえいえこちらこそ笑」