「鵜野優……
変な名前。」
最初は本当に何も思わなかった。
まだ、この時は……

それから1ヶ月ーー私と鵜野君は普通に話すようになっていった。

「鈴野ー!!!!」
「何???」
「これ机に置いといて☆」
「はいはい」

そんな中、1つの噂が流れるーー

同じクラスの多田愛が鵜野君を好きだという噂ーー
私は、興味ないふりをしていた。ずっと。
みんな、私の鵜野君に対しての想いを知るはずがないと思ってた。

ある1人を除いてはーー

「綾ーーちょっと来てくれる???」

愛に呼び出された。内容は、きっと鵜野君の事だろう。

「嫌だなぁ……」

愛は、背が小さくて目がキレイ。男子に好かれる方だ。
表では……
本当の愛は、男子の前では猫かぶりをしている。
いわゆる、ぶりっこだ。

「綾さーー鵜野君の事好きなの???」

ドキッ

「好きじゃないよ!!」
反応する自分の心臓ーー。
とっさに嘘をついてしまった

「ふぅーん……私、鵜野君の事さー狙ってるからー」

愛って本当にぶりっこ。男子の前では、こんな事言わないもん

「鵜野君の事どう思う????」

「ぇっ!?」

鵜野君は私の中で、とっても大きい存在なのー。
一秒でも早く私の所に来てほしい。
好き。
全てが好き。

「鵜野はーー私にとって変な奴だよ!!!」
「そうなんだー!!!
愛、ほっとしちゃった!!!だって綾も鵜野君、狙いだと思ったからさー」

好きよ。
本当は誰よりも好き。
だけど、この思いは私の中に閉じこめておくのーー

「安心してよーー
鵜野なんか眼中にないから!!!」

「あはは!!!
今日はゴメンね!!!
バイバイ!!!」

私の馬鹿。
あの時ちゃんと言ってれば、こんな事にはならなかったのにーーー