あたしは今夜も、あなたを屋根代わりに利用している。


「問いたい事が、あるわ」


あなたの機嫌は何となく伝わって来ている。


「答える事が出来るとは限らないが」


きっと、苛立っている。

いつまで経っても去らない、あたしに。


「理由が無くては、好きになる事は、いけませんか」

「……」

「理由が無くては、好きになる事は、ありませんか」

「……」


だからこそ、あたしは去れられない。