あたしは腰を落とす。

次いで、肩を寄せる。


「おい、灯ちゃん」

「何用です、焔君」


あなたは機嫌を損ねる。


「早く降りないか」

「未だ降りないわ」

「それでは落とすぞ」

「もう落ちているわ」


あたしは既に恋に落ちている。


「何を言っているんだ」

「事実よ。ただの揺るがない事実」


あなたは呆れた様に沈黙する。