「急にどうしたの……?」


柵に手をかけて校庭を見下ろしている天馬くんにそう声をかけると、ポケットから何かを取り出して私に渡した。


「え?なにこれ……」


そう言った瞬間、それがなんなのか察知した。

小さいグレーの箱……もしかして。


「開けて?やっとできたから」


「できたって……」


恐る恐る開けると、小さなダイヤが沢山並んでいる指輪だった。


派手でもないけどすごくキラキラしている。


「このタイミングで?って思うかもしんねーけど、できてすぐに渡したくて。さっきの電話がそうだったんだよ、友達んちの店で頼んでたから」


「え!?そうだったの!?」


「ん。取りに行ってダッシュで学校きたから、もぉーしんどかったし」


「そうだったんだ……てか本当にびっくりしすぎて」