「っはー、俺の気持ち無視で見せつけてくるよねー?それでも親友?」


「親友だからこそ見せつけてんだろ?」


「ちひろちゃん……苦労するね?」


「ハハッ……」と苦笑いしか見せられなかった。


「ちひろちょっと上来て」


今度は私の腕を引っ張ってどこかへ行こうとする。


「えっ!?あ、光くんごめんね!?手伝ってくれてありがとう!」


「いえいえー、授業まで遅れないようにね?」


半分呆れたように笑っていた。


だよねー、天馬くん強引に連れて行こうとするんだもん……。


生徒がチラホラ登校し始めている合間をぬって、私達は屋上へと向かった。


屋上の扉を開くと朝日がまぶしくて目を閉じた。


ここは初めて天馬くんと話したところでもあるし、私から別れを切り出した場所でもある……。


あまり思い出したくないけど、あれも一つの思い出だ。