バンッ!

突然教室のドアが勢いよく開けられる。


「天馬!?」


そこには少し息を切らした天馬くんが立っていた。


「光っ、何してんだよ?」


「ブッ。何って……日直の仕事手伝ってんだけど?」


光くんは笑いをこらえているようだった。


「は?今ちひろに触ろうとしてただろ?見えたんだよ!」


「ちょっ!天馬くん!光くんは別にっ……」


「ちひろ、こいつ下心ありまくりだから。近くに寄んなよ」


そう言って私の腕を引っ張り、光くんから離された。


嫉妬丸出しだけど、こういうところは余裕ない感じで愛おしいと思ってしまう。


「はぁー。天馬異常でしょ!?それじゃちひろちゃんに愛想つかされるよ?もっと自由にさせなよ、男友達もできねーじゃん」


「男友達とかできなくて結構。俺で十分だから」


私を後ろから抱きしめながらそう言う。


光くんの前ではちょっと恥ずかしい……。