天馬くんのこと……やっぱり本気で好きになっちゃったんだ。


心臓をぎゅっと鷲掴みされたみたい。


すごく痛いよ……。



「ベッド使っていいから。俺リビングで寝るわ」


天馬くんは私の頭の上にポンと手を乗せ、体を起こした。


「え!?」


「真面目にこのままだと俺がやばいから」


口に手を当ててため息を漏らす。


やばい?でもバイトとかで疲れてるのに……。


「いいよ!私がソファで寝るから!」


私が立ち上がろうとしたらそれを手で阻止してきた。


「いーからここで寝ろって」


「でも……」


本当にいいのかな。


私が「わかった」というと、天馬くんは安心したように微笑みドアの方へと向かった。


「天馬くん!」


思わず呼び止めてしまった。


「ん?」


「ありがとう……」


「おう」と私に向けられた笑顔にまた胸が高鳴って。


意地悪な事も言うくせに、ああいう優しい顔も時折見せてくるから心臓がもたない。


ドキドキしながらも私は疲れたのか、意外とあっさり眠りにつくことができた。