バイトだったし天馬くんも疲れてるんだよね……。
そっと部屋に入り、毛布を掛けてあげようと手を伸ばした瞬間。
ドサッ!
手を掴まれ、勢いよくベッドに倒れこんだ。
さっき寝ていたと思われる天馬くんは私を上から見下ろしていて。
「起きてたの!?」
「お前がいんのに寝れるわけねーだろ」
天馬くんの香りに包まれて酔ってしまいそう。
「よけてよ……」
「ムリ」
意地悪そうに微笑まれても困るんですけど。
私の反応を楽しんでるの?
からかってるだけ?
「なんで?さっきもだけど……変な事しないって言ったのに」
「しないつもりだった」
「つもりだったって……」
「だってちひろも逃げねーし」
嫌……ではないけど。
けど、私の事どう思ってるの?
どういうつもりでキスなんか……。