チリン、とどこかで風鈴が鳴った。 風鈴に混ざってジーと虫のような音もする。 横ではおっさんが最後の1本の煙草を大事そうにゆっくり吹かしていた。 ほぼ吸い切ったも同然の煙草にもう1度火をつけたのだろうか。 夜空には大きな月が雲の隙間から見えたり隠れたりしている。 暑い、ということ以外はなかなか風流な夜だと思う。 まぁ、風流がなんたるかはよく知らないが。 そうして私が夏の夜を満喫していると