「あっ、ごめん。ちょっと手にアイスこぼしちゃったかも」



ヘラヘラとした顔でおっさんは顔の前に手を合わせる。



その態度にイラッとなにかが腹を刺した。



「死ね」



「ごめんって。しょうがないじゃん、微妙に遠かったんだから」



「それでも人の手にこぼすな」




「えー、横暴な」




抗議するおっさんを放っておいて私は残りのアイスを一気に口に放り込む。



アイスは口内の熱ですぐに溶けて消え去り甘さだけを舌に残す。