予想外の反応にこっちが面喰らう。
「おっ、おう」
その動揺を悟られないよう私はおっさんのほうにアイスを持った手を伸ばす。
「―― 遠い遠いって俺落ちちゃうよ」
ベランダの柵からおっさんは精一杯こちらに身を乗り出す。
「…… ふっ、あはは、ならそのまま落ちてみるか?」
「笑い事じゃないよ!女の子のアイス食べようとして死にましたとか後世に続く笑いものになっちゃうよ俺!?」
「そりゃ、ダーウィン賞もんだな」
笑いが止まらない私と焦るおっさんの対比のなんと面白いことか。
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