「来たわよ」


指定された場所に行けば、母と妹が立っていた。


「ねえ、もう1回言わせて? また一緒に暮らしましょう?」


媚びるような笑みに吐き気がする。


「嫌です」


そう切り捨てれば、途端に母の表情に怒りが灯る。


「ああ、そう。残念」


その言葉と同時に後ろからタオルを口と鼻に押し当てられる。


独特な匂いが鼻につく。


だんだんと意識が朦朧としてきて私は、目を閉じた。