仮に、もしそうだとしてどうして黒江さんが怒ってるの?
本当に訳が分からない。
混乱して黙ったままの私の態度をどういう風に勘違いしたのかは知らないけど、黒江さんのオーラがさらに黒いものへと変わる。
「・・・やっぱり、男なのかよ」
ギュッと、腕を掴む力が少しだけ強くなった。
黒江さんに掴まれた腕は、後ろのドアに押し付けられている。
もう片方の私の手よりも二回りくらい大きな手は、ドアに力強く添えられている。
だから、私がこの空間から逃げることはできない。
要するに、私は黒江さんに壁ドンというものをされている。
・・・・・・!?!?!?!?
壁ドン・・・!?
黒江さんが私に・・・!?
壁ドンとか、少女漫画の中だけでしか起こらないと思ってたよ!
ましてや、私みたいな地味子がイケメンにされるなんて天地がひっくり返ってもあり得ないと思ってた・・・!
いやまあ、壁ドンというよりも恐喝とかかつあげとかの言葉が似合いそうなんだけど。
触れている箇所が物凄く熱い。
全身の熱と感覚がそこに集中しているみたいだ。
・・・って、硬直している場合じゃない!
「違う!郁弥くんは私の従兄弟だよ!」
「・・・・・・は?」
敬語も忘れて私は叫んだ。
とにかく、この黒江さんとドアに挟まれているイレギュラーな状況から脱出したい。
黒江さんとの距離が近すぎて心臓がばくばくしてる。
性格はアレだけど、顔は抜群にいいからあんまり至近距離にいると心臓に悪い。
本人は不本意だったのかもしれないけど、この顔で何人もの女性を虜にしているからね・・・。
「・・・本当か?」
「なんで嘘つく必要があるの!ただの従兄弟!郁弥くんには彼女だっているし!」
「・・・はぁぁ」
今度は舌打ちじゃなくてため息。
「黒江さん、離して。晩御飯の準備しなきゃ」
「・・・・・・」
誤解も解けたことだし、もう離してくれるかと思ったのにまだ腕は掴まれたまま。
そろそろ心臓がもたない。
それに、ずっと黒江さんの険しい不機嫌な顔を見上げているから首が痛い。
触れているところもずっと熱い、なんだか顔も熱い。
「黒江さん」
「・・・・・・晶くんとか郁弥くんとか」
多分、その言葉は本人も口に出す気がなかったんだろう。
言ってから、ハッとしたような表情をしている。
本当に訳が分からない。
混乱して黙ったままの私の態度をどういう風に勘違いしたのかは知らないけど、黒江さんのオーラがさらに黒いものへと変わる。
「・・・やっぱり、男なのかよ」
ギュッと、腕を掴む力が少しだけ強くなった。
黒江さんに掴まれた腕は、後ろのドアに押し付けられている。
もう片方の私の手よりも二回りくらい大きな手は、ドアに力強く添えられている。
だから、私がこの空間から逃げることはできない。
要するに、私は黒江さんに壁ドンというものをされている。
・・・・・・!?!?!?!?
壁ドン・・・!?
黒江さんが私に・・・!?
壁ドンとか、少女漫画の中だけでしか起こらないと思ってたよ!
ましてや、私みたいな地味子がイケメンにされるなんて天地がひっくり返ってもあり得ないと思ってた・・・!
いやまあ、壁ドンというよりも恐喝とかかつあげとかの言葉が似合いそうなんだけど。
触れている箇所が物凄く熱い。
全身の熱と感覚がそこに集中しているみたいだ。
・・・って、硬直している場合じゃない!
「違う!郁弥くんは私の従兄弟だよ!」
「・・・・・・は?」
敬語も忘れて私は叫んだ。
とにかく、この黒江さんとドアに挟まれているイレギュラーな状況から脱出したい。
黒江さんとの距離が近すぎて心臓がばくばくしてる。
性格はアレだけど、顔は抜群にいいからあんまり至近距離にいると心臓に悪い。
本人は不本意だったのかもしれないけど、この顔で何人もの女性を虜にしているからね・・・。
「・・・本当か?」
「なんで嘘つく必要があるの!ただの従兄弟!郁弥くんには彼女だっているし!」
「・・・はぁぁ」
今度は舌打ちじゃなくてため息。
「黒江さん、離して。晩御飯の準備しなきゃ」
「・・・・・・」
誤解も解けたことだし、もう離してくれるかと思ったのにまだ腕は掴まれたまま。
そろそろ心臓がもたない。
それに、ずっと黒江さんの険しい不機嫌な顔を見上げているから首が痛い。
触れているところもずっと熱い、なんだか顔も熱い。
「黒江さん」
「・・・・・・晶くんとか郁弥くんとか」
多分、その言葉は本人も口に出す気がなかったんだろう。
言ってから、ハッとしたような表情をしている。