私がいるって、わかってるはずなのに黒江さんは何も言わずにずかずかとあがってくる。
・・・黒江さん、なんか不機嫌?
私に対して無愛想なのはいつも通りだけど、なんだか纏っている雰囲気がピリついている。
ただの勘なんだけどね。
それにしても、どうして機嫌悪いんだろう・・・?
何か嫌な事があったのかな?
あ、もしかしてコンビニに行く途中とかにしつこい逆ナンされたとか?
「・・・・・・」
「・・・お、おかえりなさい」
「・・・・・・」
沈黙がなんとなく気まずくなって、私は声をかけた。
それでも、黒江さんは何も言わない。
何も言わないどころか、下を向いたまま顔をあげない。
本当にどうしたんだろう?
体調が悪かったりするのかな?
とにかく、ずっとこうやって突っ立っているわけにもいかないので、私は共有スペースの扉に手をかけた。
そのとき、ドアにかけた手とは逆の手を黒江さんにガシッと掴まれた。
「黒江さん・・・?」
「・・・郁弥くんって、誰だよ」
「え?」
私の腕を握ったまま、黒江さんは低い声でそういった。
・・・なんだか、これに似た状況、最近体験した気がする。
腕を掴まれるの。
でも、この前と違うのは気持ち悪くないし怖くないってこと。
前みたいに、鳥肌はたたない。
「あの・・・黒江さん、離してください」
「チッ」
私の何が気に入らなかったのか、黒江さんは大きな舌打ちを一つ。
そのままじわじわと後ろにに追いつめられた。
とんっ、と背中が扉にあたる。
「あいつ、お前の男かよ?」
「あいつって・・・郁弥くんのこと?」
あまりにも頓珍漢な質問で、私は聞き返してしまった。
郁弥くんが私の彼氏?
ないない、絶対にない。
それに、どうして郁弥くんのことを黒江さんが知ってるんだろう?
「楽しそうに話してただろ。郁弥くん郁弥くんって、馬鹿みたいに連呼して」
「なっ!?」
馬鹿みたいって言った!?
今この人、私のこと馬鹿って言った!?
「馬鹿じゃないです」
「んなことどうでもいい。あいつ、お前のなんなんだよ?」
なるほど、コンビニ帰りの黒江さんが、私と郁弥くんが話してたところを目撃してたんだね。
そして、私と郁弥くんが恋仲だと勘違いしたと・・・。
・・・え、なんで?
なんでそういう発想になるの?
・・・黒江さん、なんか不機嫌?
私に対して無愛想なのはいつも通りだけど、なんだか纏っている雰囲気がピリついている。
ただの勘なんだけどね。
それにしても、どうして機嫌悪いんだろう・・・?
何か嫌な事があったのかな?
あ、もしかしてコンビニに行く途中とかにしつこい逆ナンされたとか?
「・・・・・・」
「・・・お、おかえりなさい」
「・・・・・・」
沈黙がなんとなく気まずくなって、私は声をかけた。
それでも、黒江さんは何も言わない。
何も言わないどころか、下を向いたまま顔をあげない。
本当にどうしたんだろう?
体調が悪かったりするのかな?
とにかく、ずっとこうやって突っ立っているわけにもいかないので、私は共有スペースの扉に手をかけた。
そのとき、ドアにかけた手とは逆の手を黒江さんにガシッと掴まれた。
「黒江さん・・・?」
「・・・郁弥くんって、誰だよ」
「え?」
私の腕を握ったまま、黒江さんは低い声でそういった。
・・・なんだか、これに似た状況、最近体験した気がする。
腕を掴まれるの。
でも、この前と違うのは気持ち悪くないし怖くないってこと。
前みたいに、鳥肌はたたない。
「あの・・・黒江さん、離してください」
「チッ」
私の何が気に入らなかったのか、黒江さんは大きな舌打ちを一つ。
そのままじわじわと後ろにに追いつめられた。
とんっ、と背中が扉にあたる。
「あいつ、お前の男かよ?」
「あいつって・・・郁弥くんのこと?」
あまりにも頓珍漢な質問で、私は聞き返してしまった。
郁弥くんが私の彼氏?
ないない、絶対にない。
それに、どうして郁弥くんのことを黒江さんが知ってるんだろう?
「楽しそうに話してただろ。郁弥くん郁弥くんって、馬鹿みたいに連呼して」
「なっ!?」
馬鹿みたいって言った!?
今この人、私のこと馬鹿って言った!?
「馬鹿じゃないです」
「んなことどうでもいい。あいつ、お前のなんなんだよ?」
なるほど、コンビニ帰りの黒江さんが、私と郁弥くんが話してたところを目撃してたんだね。
そして、私と郁弥くんが恋仲だと勘違いしたと・・・。
・・・え、なんで?
なんでそういう発想になるの?