こうして、連休とか大学がお休みのときにちょくちょく帰ってきているんだ。
電話では最近話したけど、こうやって面と向かって話をするのはすごく久しぶり。
「絢花は?一人?」
「私も、さっきまで友だちと一緒に遊んでたの」
「友だちって、里穂ちゃんって子?」
「そうそう」
小さいころ知らない人と話すのがあんまり得意じゃなかった私にとって、郁弥くんは数少ない貴重なリラックスして話ができる人。
里穂と友だちになったときに、一番最初に報告したのも郁弥くん。
高校で私に友人ができるか心配してた郁弥くんは、まるで自分のことかのように喜んでくれたんだよね。
一人懐かしい過去の思い出にひたる。
「これから帰るところ?」
「うん」
「なら、送ってくよ」
「え」
それはとてもスムーズな会話だった。
郁弥くんは、当然のように「送ってく」と言った。
普通なら、その申し出はありがたいんだけど・・・。
「えーっと・・・」
私はなかなか気が進まない。
なぜなら今の私の家には、郁弥くんに絶対会わせちゃいけない人がいるから。
もしばったり黒江さんや晶くんと鉢合わせでもしたら、心優しい郁弥くんは一瞬のうちに鬼に変貌するだろう。
それだけはなんとしてでも回避しなければならない。
郁弥くんは私の様子を見て、私が郁弥くんに遠慮しているとでも思ったのか。
「遠慮するなって。ほら、これから外も暗くなってくるだろうから」
と、更に私に畳みかける。
「な?」
・・・家の近くで、別れればいいか。
善意100%の眩しい笑顔を前に、強く断ることはできず。
「・・・ありがとう」
私は、郁弥くんの申し出を了承した。
夕方の、薄紫色の空の下を郁弥くんと二人で歩く。
こうやって歩いていると、小学生のころに一緒に登下校していたのを思い出すなぁ。
「最近、学校はどう?」
「・・・う~ん、里穂とはクラス離れちゃったんだけどね。新しく椿ちゃんって子と仲良くなったの。笑顔が素敵で、あとは物理的に強い子なんだよ」
「物理的にって、どういうことだ?(笑)」
まさか、いじめられそうになりました~、なんていうわけにもいかず私は椿ちゃんのことを伝えた。
我ながら、何だこの紹介って思う。
特に後半。
でも事実だからね。
「郁弥くんは?何か変わったこととかある?」
電話では最近話したけど、こうやって面と向かって話をするのはすごく久しぶり。
「絢花は?一人?」
「私も、さっきまで友だちと一緒に遊んでたの」
「友だちって、里穂ちゃんって子?」
「そうそう」
小さいころ知らない人と話すのがあんまり得意じゃなかった私にとって、郁弥くんは数少ない貴重なリラックスして話ができる人。
里穂と友だちになったときに、一番最初に報告したのも郁弥くん。
高校で私に友人ができるか心配してた郁弥くんは、まるで自分のことかのように喜んでくれたんだよね。
一人懐かしい過去の思い出にひたる。
「これから帰るところ?」
「うん」
「なら、送ってくよ」
「え」
それはとてもスムーズな会話だった。
郁弥くんは、当然のように「送ってく」と言った。
普通なら、その申し出はありがたいんだけど・・・。
「えーっと・・・」
私はなかなか気が進まない。
なぜなら今の私の家には、郁弥くんに絶対会わせちゃいけない人がいるから。
もしばったり黒江さんや晶くんと鉢合わせでもしたら、心優しい郁弥くんは一瞬のうちに鬼に変貌するだろう。
それだけはなんとしてでも回避しなければならない。
郁弥くんは私の様子を見て、私が郁弥くんに遠慮しているとでも思ったのか。
「遠慮するなって。ほら、これから外も暗くなってくるだろうから」
と、更に私に畳みかける。
「な?」
・・・家の近くで、別れればいいか。
善意100%の眩しい笑顔を前に、強く断ることはできず。
「・・・ありがとう」
私は、郁弥くんの申し出を了承した。
夕方の、薄紫色の空の下を郁弥くんと二人で歩く。
こうやって歩いていると、小学生のころに一緒に登下校していたのを思い出すなぁ。
「最近、学校はどう?」
「・・・う~ん、里穂とはクラス離れちゃったんだけどね。新しく椿ちゃんって子と仲良くなったの。笑顔が素敵で、あとは物理的に強い子なんだよ」
「物理的にって、どういうことだ?(笑)」
まさか、いじめられそうになりました~、なんていうわけにもいかず私は椿ちゃんのことを伝えた。
我ながら、何だこの紹介って思う。
特に後半。
でも事実だからね。
「郁弥くんは?何か変わったこととかある?」