それに・・・限りなく望みはないけど、垢抜けられる可能性だってあるかも知れないし。
 ・・・ないか。
 でも、里穂に散々勧められてきたことだし思い切ってコンタクトにしてみちゃおうかな!
 早速、今日里穂に相談しよっと。
 そんなことを考えながら、着替えを済ませてシェアハウスを後にした。


 ざわざわ、ざわざわ・・・。
 大型連休の真っ只中ということもあり、ショッピングモールには多くのお客さんがいた。
 一人の人も、何人かの女の子のグループも、笑顔のカップルも、家族連れも、とにかく様々な人が。
 そんな中、一人里穂を探す。
 え〜っと、確かこっちのほうにいるって送られてきたはず・・・。
 あ、いたいた。
 「絢花〜!こっちこっち!」
 手を振って合図する里穂のもとに駆け寄る。
 「里穂!なんだか久しぶりだね」
 「そうね」
 最近、あんまり一緒にいれなかったからなぁ。
 電話は良くしてた気がするんだけど。
 それにしても、里穂は今日も可愛いな・・・。
 ミルクティーベージュのさらさらな髪を軽く巻いて薄くメイクもして、全身をオルチャンファッション(?)のオシャレな服でかためている。
 その服は、きっと里穂のお気に入りのブランドのものだったりするんだろうけどそういうものに疎い(うとい)私にはどこのブランドかわかるはずもなく。
 でも、目の前の少女がとてつもなく可愛くて美しいことだけはわかった。
 現に、周りの人はちらちら里穂のほうを見ていた。
 どうしたら、こんな天才的に可愛いコーディネートを思いつくんだろう。
 やっぱり、センスとか才能なのかな・・・?
 「ほら、何ボーッとしてるの!」
 「あ、ああ、ごめんね」
 上の空になっていたことを指摘されて、すぐに謝る。
 本当のことを言うと、里穂に見とれてました。
 「じゃあ、早速服見に行こ!こういう機会じゃないと、絢花のこと可愛くコーディネートできないし」
 「あ、そのことで相談なんだけど・・・」
 里穂が、服屋に向かおうとしたタイミングでコンタクトにしようと思っていることを伝える。
 話を聞いた里穂は一瞬驚いたように目を丸めた後、すぐに笑顔になった。
 「そのこと、やっと決心したんだね。いいと思うよ、ていうか絶対にコンタクトにすべき!」
 「う、うん?」
 「じゃあ、それ前提で服決めないと。ほら絢花、早く」
 普段より少しだけテンションが高い里穂は、私を先導するように歩きはじめる。