「おい、邪魔だ」
低くて不機嫌そうな声に、一瞬ビクッと怯む。
「キャー!!黒江魁吏くんよ!今日もかっこいいー!」
え、今この瞬間そんな風に黄色い歓声をあげるくらいのモテ要素あったの?
まあ、多分顔はイケメンというものに分類されるんだろうけどさ。
今どきの女の子にはこういう壁を蹴る人がモテるのかな?
それか、「邪魔」って言われたのが嬉しかったとか?
この子達がおかしいのか、私の感覚が他の人とずれてるのがよくわからなくなってきた。
「お前ら、耳ついてないの?邪魔だっつってんだろ」
怖い声で、騒ぐ女の子集団に再度「邪魔」と男子生徒は言う。
その黒江さんとやらに冷たく一蹴され、女の子たちはすごすごと引き上げていく。
・・・一応、お礼言っておこうかな。
助けてくれたわけだし。
「あの、ありがとうござ・・・」
「なに勘違いしてんの?お前」
お礼を言いかけたのに、黒江さんは私の言葉を遮る。
・・・は?
そう言いそうになって口をふさいだ私はきっと賢い。
もしそんなこと言っていたら、私は睨み殺されていたかもしれない。
「俺がお前みたいな地味女、助けるわけねえだろ。どっかいけ、ブス」
衝撃で硬直する私に黒江さんは続ける。
あまりにも酷い。
そこまで言う必要ある・・・?
確かに、地味だしブスだけどさ!
私の拳は怒りにワナワナと震える。
ここが教室のドアの前でなければ、ご自慢のそのキレイな顔に一発パンチをお見舞いしてやりたい。
でも、ここで怒鳴ったりして新学期初日から変な目で見られたくない。
私はなんとか、こみ上げてくる怒りをもう一度腹の中に押し戻し無言で席についた。
本当になんなの、あいつ。
ちょっと顔がいいからってさ、お礼を言おうとした人にあんな事言わなくてもいいじゃん。
・・・こんなときは参考書を読んで、心を落ち着けよう。
勝ったばかりの真新しい参考書を机の上に広げる。
本屋さんの参考書コーナーで「イチオシ!」って書いてあったんだよね。
思わず買ってしまった。
「・・・あの〜」
なるほど、ここがこうで・・・。
「あの」
あれ、これってどういうこと?
「あの!」
ん!?
私、誰かに呼ばれてる!?
「自己紹介、順番回ってきてますよ・・・」
前の席に座る女の子がためらいがちに教えてくれる。
低くて不機嫌そうな声に、一瞬ビクッと怯む。
「キャー!!黒江魁吏くんよ!今日もかっこいいー!」
え、今この瞬間そんな風に黄色い歓声をあげるくらいのモテ要素あったの?
まあ、多分顔はイケメンというものに分類されるんだろうけどさ。
今どきの女の子にはこういう壁を蹴る人がモテるのかな?
それか、「邪魔」って言われたのが嬉しかったとか?
この子達がおかしいのか、私の感覚が他の人とずれてるのがよくわからなくなってきた。
「お前ら、耳ついてないの?邪魔だっつってんだろ」
怖い声で、騒ぐ女の子集団に再度「邪魔」と男子生徒は言う。
その黒江さんとやらに冷たく一蹴され、女の子たちはすごすごと引き上げていく。
・・・一応、お礼言っておこうかな。
助けてくれたわけだし。
「あの、ありがとうござ・・・」
「なに勘違いしてんの?お前」
お礼を言いかけたのに、黒江さんは私の言葉を遮る。
・・・は?
そう言いそうになって口をふさいだ私はきっと賢い。
もしそんなこと言っていたら、私は睨み殺されていたかもしれない。
「俺がお前みたいな地味女、助けるわけねえだろ。どっかいけ、ブス」
衝撃で硬直する私に黒江さんは続ける。
あまりにも酷い。
そこまで言う必要ある・・・?
確かに、地味だしブスだけどさ!
私の拳は怒りにワナワナと震える。
ここが教室のドアの前でなければ、ご自慢のそのキレイな顔に一発パンチをお見舞いしてやりたい。
でも、ここで怒鳴ったりして新学期初日から変な目で見られたくない。
私はなんとか、こみ上げてくる怒りをもう一度腹の中に押し戻し無言で席についた。
本当になんなの、あいつ。
ちょっと顔がいいからってさ、お礼を言おうとした人にあんな事言わなくてもいいじゃん。
・・・こんなときは参考書を読んで、心を落ち着けよう。
勝ったばかりの真新しい参考書を机の上に広げる。
本屋さんの参考書コーナーで「イチオシ!」って書いてあったんだよね。
思わず買ってしまった。
「・・・あの〜」
なるほど、ここがこうで・・・。
「あの」
あれ、これってどういうこと?
「あの!」
ん!?
私、誰かに呼ばれてる!?
「自己紹介、順番回ってきてますよ・・・」
前の席に座る女の子がためらいがちに教えてくれる。