話を戻すけど、家からこの学校までは通学に片道1時間以上かかっていた。
そして一年間通ってみた結果、このまま家から通い続けるのは流石に辛いということがわかった。
なんでそんな遠く離れた高校に通っているのかと言うと、この学校がそれなりに有名な進学校だから。
いい大学に入っていい職に就いて、私を引き取ってここまで育ててくれた伯父さんたちに恩返しがしたいんだ。
寂しがる伯父さんたちをどうにか宥めて、学校から徒歩10分くらいのマンションでひとり暮らしをこの春からスタートすることにした。
「新生活、応援しているからね!」
そう言ってくれる里穂に「ありがとう」と返す。
里穂が遊びに来てくれるなら、新しいクラスでもなんとかやっていけそう・・・
「じゃあね、バイバイ!また後で〜」
そう言うと、彼女は軽やかにF組の教室に入っていった。
・・・前言撤回。
やっぱり不安だし、寂しすぎる。
神様と先生のイジワル・・・。
気を取り直してA組の教室に向かう。
今日からひとり暮らしかぁ・・・。
掃除とか料理とか洗濯とか、色々頑張らないと。
「・・・ん?どうかしたんだろう?」
おかしな光景が見えて私は立ち止まった。
A組の教室のまわりに女の子がいっぱいいる?
しかもリボンの色から察するに、2年生だけじゃなくて3年生もいるんじゃないの?
みんな、窓や扉から食い入るように中を見ている。
扉の前にもいっぱい人がいるせいで、教室の中に入れないし・・・。
どいてほしいな・・・。
「あの・・・。すみません、どいていただけますか?」
勇気を出して声をかけてみたのになんの反応もない。
というか、聞こえてすらないかも。
里穂さん、私、早くも心が折れてしまいそうです。
なんて、冗談言ってる場合じゃない。
それにしても、2年A組にどうして人がこんなに集まってるんだろう?
集まってるのは女の子ばっかりだし。
女の子たちは「真白くん、かっこいい〜!」「黒江くんはまだなのかな?」なんて、口々にはしゃいだ声をあげている。
私からは中は見えないからどういう状況なのかよくわからないけど。
「あ、あの・・・」
もう一度声をかけたとき。
―――ドカッ。
隣から、硬いものと何かがぶつかったような音が聞こえた。
恐る恐る顔を音がなった方に向ける。
そこには、長い脚で壁を思いっきり蹴ったであろう男子生徒が立っていた。
足グセ悪いなあ・・・。
そして一年間通ってみた結果、このまま家から通い続けるのは流石に辛いということがわかった。
なんでそんな遠く離れた高校に通っているのかと言うと、この学校がそれなりに有名な進学校だから。
いい大学に入っていい職に就いて、私を引き取ってここまで育ててくれた伯父さんたちに恩返しがしたいんだ。
寂しがる伯父さんたちをどうにか宥めて、学校から徒歩10分くらいのマンションでひとり暮らしをこの春からスタートすることにした。
「新生活、応援しているからね!」
そう言ってくれる里穂に「ありがとう」と返す。
里穂が遊びに来てくれるなら、新しいクラスでもなんとかやっていけそう・・・
「じゃあね、バイバイ!また後で〜」
そう言うと、彼女は軽やかにF組の教室に入っていった。
・・・前言撤回。
やっぱり不安だし、寂しすぎる。
神様と先生のイジワル・・・。
気を取り直してA組の教室に向かう。
今日からひとり暮らしかぁ・・・。
掃除とか料理とか洗濯とか、色々頑張らないと。
「・・・ん?どうかしたんだろう?」
おかしな光景が見えて私は立ち止まった。
A組の教室のまわりに女の子がいっぱいいる?
しかもリボンの色から察するに、2年生だけじゃなくて3年生もいるんじゃないの?
みんな、窓や扉から食い入るように中を見ている。
扉の前にもいっぱい人がいるせいで、教室の中に入れないし・・・。
どいてほしいな・・・。
「あの・・・。すみません、どいていただけますか?」
勇気を出して声をかけてみたのになんの反応もない。
というか、聞こえてすらないかも。
里穂さん、私、早くも心が折れてしまいそうです。
なんて、冗談言ってる場合じゃない。
それにしても、2年A組にどうして人がこんなに集まってるんだろう?
集まってるのは女の子ばっかりだし。
女の子たちは「真白くん、かっこいい〜!」「黒江くんはまだなのかな?」なんて、口々にはしゃいだ声をあげている。
私からは中は見えないからどういう状況なのかよくわからないけど。
「あ、あの・・・」
もう一度声をかけたとき。
―――ドカッ。
隣から、硬いものと何かがぶつかったような音が聞こえた。
恐る恐る顔を音がなった方に向ける。
そこには、長い脚で壁を思いっきり蹴ったであろう男子生徒が立っていた。
足グセ悪いなあ・・・。